会長挨拶
金沢大学医薬保健研究域医学系呼吸器内科学 金沢大学がん進展制御研究所腫瘍内科 矢野 聖二 |
第26日本がん分子標的治療学会学術集会の会長を仰せつかり、2022年(令和4年)6月29日(水)〜7月1 日(金)の3日間、石川県立音楽堂(金沢市)にて開催させていただくこととなりました。伝統ある本学会の学術集会を担当させていただくことになり、大変光栄に存じます。
がんの薬物療法は、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の導入により目覚ましい進歩を遂げています。その結果、進行期のがん患者の予後は徐々に改善されつつあります。さらに、新しいタイプの分子標的薬や免疫療法として抗体薬物複合体(ADC)やCAR-T療法、光免疫療法などが次々と臨床導入され、がん薬物療法開発の機運がますます高まってきています。その一方で、まだまだ改善・解決しなければならない課題が山積しているのが実情です。例えば、分子標的薬における獲得耐性、免疫チェックポイント阻害薬の奏効率の低さ、頻度は高くないものの発生するがん薬物療法の重篤な副作用、既存の分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の治療対象とならないがん種・患者に対する新規薬物療法の開発、がん薬物療法の高額な医療費の問題など、枚挙にいとまがありません。
本学会は、薬物療法によるがんの治癒を目指し、がん薬物療法に関する基礎研究を推進しその臨床応用を図ることを目的に活動し、発展してまいりました。第26回学術集会では、「患者に届けるがん研究」をテーマに掲げ、現在のがん薬物療法の課題の解決や新規薬物療法の開発を目指し、産官学の多様な研究者が最新の情報を発表して共有し、Face-to-faceの活発で濃厚な議論ができる場を提供したいと存じます。新型コロナウイルス感染症の蔓延のため本学会の学術集会はこの2年間WEB中心の開催となりましたが、今回は研究者間のより活発な議論を引き出すために、オンサイトでの開催を予定し、鋭意準備を進めております。
会場の石川県立音楽堂はJR金沢駅に直結しており、周囲にホテルやお食事処も数多くございます。学術集会終了後の週末には、ひがし茶屋街や近江町市場、長町武家屋敷などの金沢の観光スポット、あるいは大自然を満喫できる能登半島や富山県の立山連峰、福井県のジオパークなどを訪れて、日頃の疲れを癒していただくのも良いかもしれません。
学術集会で皆様にお目にかかれますことを楽しみにいたしております。どうぞよろしくお願い申し上げます。